スーパーの卵売り場には、白い殻の「白玉」と、茶色い殻の「赤玉」が並んでいます。
赤玉のほうが高く売られていることもあり、「味が濃いの?」「栄養が多い?」「白玉より品質が上?」と迷う人も少なくありません。
ただ、赤玉と白玉を比べるときに最初に分けて考えたいのは、殻の色・黄身の色・栄養・価格は、それぞれ別の要素だということです。
殻が茶色いこと自体が、そのまま栄養価やおいしさの高さを示すわけではありません。
赤玉と白玉の大きな違いは「殻の色」で、基本的には卵を産む鶏の品種・系統で決まります。
農林水産省は、褐色・黒っぽい羽毛の鶏は赤玉、白い鶏は白玉を産む傾向があると説明しています。
ただしこれは傾向であり、羽毛色だけで殻色を100%判定できるわけではありません。
殻が赤いこと自体で、味・栄養・鮮度が高くなるわけではありません。
赤玉と白玉の違いを比べるとどうなる?

赤玉は茶色〜赤褐色、白玉は白色系の殻を持つ卵です。
農林水産省は、卵殻の色は基本的に鶏種によって決まり、褐色や黒っぽい羽毛の鶏は赤玉、白い羽毛の鶏は白玉を産む傾向があると説明しています。
赤玉・白玉を比べるときは4つを分けて考える
- 殻の色:主に親鶏の鶏種と卵殻色素で決まる
- 黄身の色:主に飼料の影響を受ける
- 栄養:殻色だけを理由に大きな優劣は付けられない
- 価格:鶏種、飼料、飼育方法、ブランド、流通など複数条件で変わる
この4つを混同すると、「茶色い殻だから黄身も濃い」「高い赤玉だから栄養も多い」といった誤解につながります。
赤玉・白玉は、まず殻色の違いとして捉え、中身の特徴は商品ごとに確認するのが基本です。
卵の殻はなぜ白や茶色になる?

赤玉の茶色は卵殻に含まれる色素による
卵の殻は、鶏の体内で卵ができる最後の段階で形成されます。
茶色い卵殻では、主な色素としてプロトポルフィリンIXが関わることが研究で知られています。
色素の量や付き方には差があるため、同じ赤玉でも濃い茶色、薄い茶色、赤みの強い色など見た目に幅があります。
同じパックの赤玉でも色合いが完全に同じとは限りません。
殻の茶色が濃いほど、栄養が多い・黄身が濃い・味が濃厚になる、という関係ではありません。
殻色はあくまで殻の特徴の一つです。
「白い鶏=白玉、茶色い鶏=赤玉」は傾向として考える
農林水産省では、白玉を産む代表例として白色レグホン、赤玉を産む代表例としてロードアイランドレッドなどを紹介しています。
ただし、これはあくまで傾向です。
実際の殻色は鶏種によって決まるため、羽毛の色だけですべての卵を判定するのではなく、「白玉・赤玉は鶏種の特徴として現れる」と捉えるほうが正確です。
殻が茶色いほど丈夫、というわけでもない
赤玉は見た目に厚く丈夫そうに感じることがありますが、殻の強さは色だけで決まりません。
鶏種、鶏の年齢、栄養状態、卵殻形成の状態など複数の要因が関わります。
殻のざらつきや白い粒が気になる場合は、殻色とは別の問題として「卵の殻がざらざら・白いぶつぶつなのはなぜ?」で見分け方を整理しています。
赤玉と白玉で味は違う?
同じような飼料・鮮度・サイズ条件であれば、殻の色そのものが中身の味を決めるわけではありません。
実際の味の印象には、飼料設計、品種、鮮度、調理法など別の条件が影響します。

赤玉を食べて「白玉よりコクがある」と感じることはあります。
ただし、その差をそのまま「茶色い殻が原因」と結論付けることはできません。
市販の卵は、鶏種、飼料、卵のサイズ、鮮度、飼育環境、ブランドごとの商品設計など条件が異なります。
赤玉の商品と白玉の商品を食べ比べた場合、殻色以外の条件も同時に違っていることが多いためです。
「味に差を感じる」という説明と「殻色では決まらない」は矛盾しない
日本養鶏協会の冊子では、白玉と赤玉の栄養価は同じとしたうえで、シェフの食味経験として微妙な「こく」「うまみ」の違いを感じるという紹介があります。
一方、これは殻色だけをそろえて比較した科学試験ではなく、実際の商品には鶏種や飼料などの違いもあります。
つまり、「商品として味の違いを感じることはある」ことと、「殻が茶色いから必ず濃厚になるわけではない」ことは両立します。
味を重視するなら、赤玉・白玉という表示だけでなく、飼料やブランドの商品説明まで見たほうが選びやすくなります。
鮮度も味や食感の印象に関わる
卵は保存中に状態が少しずつ変化し、白身の盛り上がりなどにも違いが出ます。
そのため、異なる商品を食べ比べるときは、殻色だけでなく購入日や賞味期限なども近い条件にそろえないと比較しにくくなります。
割ったときに白身が広がって水っぽく見える場合は「卵の白身が水っぽいのは古い?」も参考にしてください。
黄身の色は赤玉・白玉と関係ある?
赤玉を割ると濃いオレンジ色の黄身が出てくるイメージを持つ人もいますが、卵黄の色は主に飼料の影響を受けます。
農林水産省は、黄色の強い草やトウモロコシが多いと黄色が強くなり、飼料用米やマイロなどが多いと淡くなると説明しています。
パプリカなど色素を含む原料を飼料へ配合すると赤みが強くなることもあります。
したがって、赤玉でも淡い黄身、白玉でも濃い黄身の商品はあり得ます。
黄身の色の濃淡と栄養価には直接的な関係はありません。
「殻が茶色い」「黄身がオレンジ色」という見た目だけで、栄養価まで高いと判断しないことが大切です。
栄養価は赤玉のほうが高い?
USDA(米国農務省)は、白い殻と茶色い殻の卵について、栄養レベルに有意な違いはないと説明しています。
日本養鶏協会の資料でも、白玉と赤玉の栄養価は同じと紹介されています。
一方で、すべての市販卵の栄養成分が完全に同じという意味ではありません。
卵の大きさや飼料、栄養強化の有無などで商品ごとの差は生じます。
栄養を重視して選ぶなら、次の表示を確認します。
- 栄養成分表示
- 1個当たり・100g当たりの表示単位
- ビタミンE、DHAなど強化されている成分
- 卵のサイズ
- 飼料や商品の特徴
日本養鶏協会では、栄養成分や飼育環境などの表示について、鶏卵の表示に関する公正競争規約が設けられていることを案内しています。
栄養で選びたい場合は、「赤玉」という見た目の呼び方より、実際の表示内容を見るほうが確実です。
赤玉のほうが値段が高いのはなぜ?
農林水産省は、白玉を産む鶏が多く褐色卵の生産量が少ないことや、ブランド卵に赤玉が多いことなどを価格差の要因として挙げています。
「高価だから殻色由来で栄養が多い」とは考えません。
売り場では、一般的な白玉より赤玉が高めに設定されていることがあります。
ただし、「殻を茶色くするために高くなる」「赤玉は必ず高級品」という一律のルールがあるわけではありません。
価格には、鶏種、飼料、飼育方法、生産規模、産卵性、卵のサイズ、包装、流通、ブランドなど複数の条件が関わります。
日本養鶏協会の冊子では、配合飼料費が養鶏経営費の5〜6割を占めると説明されており、飼料の内容や価格は生産コストを見るうえで無視できない要素です。
つまり、売り場で赤玉が高く見えても、「茶色い殻そのものに高い価値があるから」とは限りません。
こだわった飼料や飼育方法を採用した赤玉が多く並ぶ売り場では、商品構成の違いが価格差として見えることもあります。
反対に、白玉でも平飼いや特別な飼料、栄養強化などの商品設計によって高価格になることがあります。
価格を比較するときは、同じ個数・近いサイズ・似た商品条件にそろえて見ることがポイントです。
卵売り場では何を見て選べばいい?

赤玉か白玉かで迷ったときは、「どちらが上か」ではなく、自分が何を重視して買うかを先に決めると選びやすくなります。
売り場で確認したい5項目
- 賞味期限:生食する予定がある場合は特に確認する
- 殻の状態:ひび割れや大きな破損がないかを見る
- サイズ:普段の料理や製菓で使いやすい大きさを選ぶ
- 商品説明:飼料、飼育方法、栄養強化などの特徴を確認する
- 価格:個数とサイズをそろえて比較する
普段使いで量を多く使うなら価格を優先してもよく、味や生産方法にこだわりたいならブランド卵の商品説明を比べる意味があります。
赤玉か白玉かは、品質の上下ではなく、商品を構成する特徴の一つとして見るのが実用的です。
保存方法や安全性は赤玉・白玉で違う?
殻色が違っても、家庭での基本的な保存方法や安全上の考え方は同じです。
日本養鶏協会では、パック詰めされた卵の賞味期限は安心して生食できる期限であり、10℃以下で冷蔵保存するよう案内しています。
「赤玉だから長持ちする」「白玉だから傷みやすい」という区別はありません。
詳しい保存と期限後の考え方は「卵の賞味期限は生食の期限?保存方法を解説」で整理しています。
ひびが入った卵は生食を避ける
赤玉・白玉にかかわらず、殻にひびがある卵は生で食べず、十分に加熱して使います。
購入時に大きな破損がないか確認し、家庭で割れた卵も長く置かず早めに使いましょう。
卵の鮮度や安全性を、殻の色だけで判断することもできません。
賞味期限、保存状態、殻の破損、割ったあとのにおいや状態などを合わせて確認してください。
赤玉・白玉で誤解しやすいこと
赤玉は高級だから栄養も多い?
殻色そのものは栄養価の高さを示す基準ではありません。
高価格の商品では、飼料や飼育方法、栄養強化、ブランドなど、別の付加価値を確認します。
黄身が濃い赤玉ほど栄養がある?
黄身の色は主に飼料で変化します。
濃いオレンジ色だから栄養価も高い、という直接的な関係はありません。
白玉は安いから品質が低い?
価格だけで品質の高低は判断できません。
白玉でも商品ごとに飼料や飼育方法、鮮度管理は異なり、殻が白いこと自体が低品質を意味するわけではありません。
赤玉なら殻も丈夫?
殻の強さは色だけでは決まりません。
鶏種や鶏の年齢、栄養状態なども関係するため、見た目の茶色だけで判断できません。
黄身の色が濃くなる理由は「卵黄の色が濃い・薄い理由」で解説しています。
殻表面がざらざら・白いぶつぶつの場合は「卵の殻がざらざらなのはなぜ?」も参考になります。
よくある疑問
赤玉のほうが栄養がありますか?
殻の色だけを理由に、赤玉のほうが栄養価が高いとはいえません。
栄養を比べたい場合は、栄養成分表示、卵のサイズ、強化されている成分などを確認してください。
赤玉のほうが味が濃いですか?
商品によって味の差を感じることはありますが、殻色だけでは決まりません。
飼料、鶏種、鮮度、商品設計など複数の条件が風味に関わります。
赤玉の黄身は必ず濃いオレンジ色ですか?
いいえ。
卵黄の色は主に飼料の影響を受けるため、赤玉でも淡い黄身、白玉でも濃い黄身の商品があります。
赤玉の殻は白玉より硬いですか?
殻の色だけで硬さは決まりません。
鶏種、鶏の年齢、栄養状態なども殻の強さに関係します。
白玉のほうが安いのは品質が低いからですか?
価格が低いことだけで品質が低いとは判断できません。
価格は生産条件、飼料、ブランド、流通など複数の要因で変わります。
まとめ
赤玉と白玉の最も基本的な違いは、殻の色です。
その色は主に鶏種によって決まり、赤玉だから栄養が多い、白玉だから味が劣る、という関係ではありません。
- 殻の色は主に鶏種と卵殻色素で決まる
- 黄身の色は主に飼料の影響を受ける
- 白玉と赤玉で、殻色を理由とした栄養上の大きな優劣はない
- 商品として味の差を感じることはあるが、殻色だけが原因とはいえない
- 価格は飼料、飼育方法、ブランド、流通など複数条件で変わる
- 購入時は賞味期限、殻の状態、サイズ、商品表示、価格を確認する
赤玉と白玉で迷ったときは、見た目のイメージで上下を付けるのではなく、自分が重視する味・栄養・価格・飼育方法・使い方を基準に商品を比べるのが最も分かりやすい選び方です。
参考・確認先
編集・確認:食のハッケン帳編集部
情報確認日:2026年9月1日
この記事の確認について
卵殻色は基本的に鶏種で決まり、羽毛色と一定の傾向はあるものの例外もあること、殻の色そのものは栄養価や味へ影響しないこと、赤玉の価格差は鶏種・生産コスト・ブランド設計などの影響が大きいことを確認しています。












