卵のパックに書かれている賞味期限を見て、「1日でも過ぎたら捨てるべき?」「加熱すれば食べられる?」と迷うことがあります。
一般的な生食用の殻付き卵に表示される賞味期限は、表示された方法で保存した正常な卵を、安心して生で食べられる期限の目安です。
期限を過ぎた瞬間に腐敗するわけではありませんが、期限後も生食や半熟で食べてよいという意味ではありません。
殻付き卵の「賞味期限」は、表示どおり保存した場合に生で食べられる期限の目安です。
期限を1日過ぎた瞬間に腐るという意味ではありません。
ただし、「賞味期限後○日までなら必ず大丈夫」という全国共通の日数はありません。
期限を過ぎた卵は、殻の破損や保存履歴を確認し、問題がなければ速やかに十分加熱して使います。
ひび割れた卵、割ってから時間がたった卵、保存状態が不明な卵を、見た目やにおいだけで生食可と判断しないでください。
卵の賞味期限は何の期限?
一般的なパック入りの生食用鶏卵に表示される賞味期限は、表示された方法で保存した正常な卵を、安心して生食できる期限の目安です。
卵かけご飯、すき焼きのつけ卵、自家製マヨネーズ、温泉卵、半熟卵など、十分に加熱しない食べ方には、賞味期限内で、殻にひびや汚れなどの異常がない卵を使います。

賞味期限を過ぎた瞬間に腐るわけではない
賞味期限を過ぎた瞬間に、卵が急に腐敗するわけではありません。
ただし、賞味期限は適切な温度で保存したことを前提に設定されています。
長時間常温へ置いた、暑い車内へ放置した、殻が割れた、保存履歴が分からないといった場合は、印字された日付だけで安全性を判断できません。
消費期限とは意味が異なる
一般の食品で、賞味期限は「おいしく食べられる期限」、消費期限は「安全に食べられる期限」と説明されます。
殻付き卵の賞味期限は、生食文化とサルモネラ属菌対策を踏まえ、安心して生食できる期限として表示されている点が特徴です。
賞味期限の日数は商品表示を確認する
賞味期限は、季節、流通条件、包装、事業者の設定などによって異なります。「購入日から何日」と自己判断せず、手元のパックに印字された日付を確認してください。
賞味期限と保存方法を確認できるよう、使い切るまでは購入時のパックを残しておくと管理しやすくなります。
賞味期限内なら必ず生で食べられる?
賞味期限内でも、どのような状態の卵でも生食できるわけではありません。
生食の目安になるのは、適切に冷蔵され、殻にひび・欠け・漏れ・目立つ汚れなどがない正常な卵です。
赤い点・肉斑がある卵の扱いは「卵の赤い点は血?血玉・肉斑の正体」も参考になります。
| 卵の状態 | 生食 | 対応 |
|---|---|---|
| 期限内・ひびなし・適切に冷蔵 | 生食の目安 | 食べる直前に割り、速やかに食べる |
| ひび・欠けがある | 避ける | 早めに十分加熱する |
| 殻から中身が漏れている | 不可 | 購入時からの破損や状態不良なら使用しない |
| 長時間常温へ置いた | 避ける | 時間・温度が不明なら無理に食べない |
| 異臭・不自然な色がある | 不可 | 加熱せず廃棄する |
抵抗力が弱い人は生食を慎重に
乳幼児、高齢者、妊娠中の人、免疫機能が低下している人、体調が悪い人などは、期限内でも生卵や加熱不十分な卵を避け、十分に加熱した料理を選ぶほうが安全です。
賞味期限を過ぎた卵は何日まで食べられる?
日本養鶏協会は、賞味期限後について「できるだけ早く、十分加熱して食べる」考え方を示しており、何日という一律の保証期間は設けていません。
卵の状態だけでなく、購入後ずっと10℃以下で保存できていたか、殻にひびがないかなども合わせて確認します。
賞味期限後に「何日までなら必ず食べられる」と一律に決めることはできません。
卵の状態は、産卵・包装からの日数だけでなく、流通中と家庭での温度、殻の状態、冷蔵庫の冷え方、出し入れの回数などに左右されるためです。
期限後に加熱を検討できる条件
- 購入後から表示どおりに冷蔵していた
- 殻にひび・欠け・漏れがない
- 長時間常温へ置いていない
- 割ったときに異臭や不自然な変色がない
- 保存履歴が明確である
これらを満たしていても、生食や半熟は避け、できるだけ早く十分に加熱します。
日数だけで安全を保証しない
「期限後○週間まで大丈夫」といった情報へ一律に当てはめるのは危険です。パックの使用方法、保存状態、卵の状態を優先し、不安がある場合は食べないでください。
賞味期限後の卵を確認する手順
期限後の卵を使用するときは、ほかの卵や食材へ混ぜる前に、1個ずつ状態を確認します。

1.殻の状態を見る
ひび、欠け、液漏れ、カビのような付着物、強い汚れがないか確認します。
殻の状態に不安がある卵は、ほかの卵とまとめて割らないでください。
2.清潔な小皿へ1個ずつ割る
複数個を最初から同じボウルへ割ると、最後の1個に異常があった場合、ほかの正常な卵まで使用できなくなります。
清潔な小皿へ1個ずつ割り、問題がないことを確認してから調理用の容器へ移します。
3.においと色を確認する
腐敗臭、硫黄臭とは異なる強い不快臭、酸っぱいにおい、不自然な赤・緑・黒色などがないか確認します。
異常がある場合は味見せず、加熱して使おうとせずに廃棄してください。
4.割ったらすぐに加熱する
割った卵は殻付き卵より細菌が増えやすくなります。室温へ置いたままにせず、速やかに調理します。
期限後の卵はどのくらい加熱する?
厚生労働省の基準では、卵を使用する食品は原則として中心部70℃で1分間以上、または同等以上の加熱が目安です。
期限後の卵を使う場合は、温泉卵・半熟卵・とろとろのスクランブルエッグではなく、黄身と白身の中心まで十分に火が通る料理を選びます。
鶏の殻付き卵や未殺菌液卵を調理する場合、食品衛生上は70℃で1分間以上、またはこれと同等以上の殺菌効果を持つ加熱が基準とされています。
家庭では食品全体の温度を均一に測るのが難しいため、黄身と白身が流れず、完全に固まるまで加熱すると確認しやすくなります。
肉、野菜、だしなどほかの食材と混ぜる料理では、一般的な家庭の食中毒予防として、最も温度が上がりにくい中心部を75℃で1分間以上加熱することが目安になります。
| 食べ方・料理 | 賞味期限内の正常卵 | 賞味期限後 |
|---|---|---|
| 卵かけご飯 | 保存条件を守った期限内の卵を使用 | 避ける |
| 温泉卵・半熟卵 | 期限内の卵を使い、調理後すぐ食べる | 避ける |
| 半熟の目玉焼き | 期限内の正常卵で調理 | 避ける |
| 固ゆで卵 | 使用できる | 黄身と白身が完全に固まるまで加熱 |
| 卵焼き・炒り卵 | 使用できる | 中心まで完全に火を通す |
| スープ・茶碗蒸し | 十分加熱する | 中心部まで十分加熱し、半熟部分を残さない |
期限後に向く料理
- 固ゆで卵
- 黄身まで固めた目玉焼き
- しっかり焼いた卵焼き
- 完全に固めた炒り卵
- 全体へ十分に火を通したスープ
- 中心まで焼いたケーキや焼き菓子
期限後に避けたい料理
- 卵かけご飯
- 温泉卵
- 半熟ゆで卵
- とろとろのスクランブルエッグ
- 半熟の親子丼・オムライス
- 自家製マヨネーズ
- 非加熱のティラミスやムース
加熱後も早めに食べる
十分に加熱した卵料理でも、長時間常温で保存できるわけではありません。調理後は早めに食べ、残す場合は速やかに冷蔵し、再加熱して早めに食べ切ります。
電子レンジで加熱するときの注意
電子レンジは加熱むらが起こりやすく、一部が熱くても中心に冷たい部分が残ることがあります。
- 途中で全体を混ぜる
- 容器の向きや位置を変える
- 加熱後に指定時間置いて熱を均一にする
- 液状の部分が残っていないか確認する
- 必要に応じて短時間ずつ追加加熱する
殻付き卵や、殻をむいて切れ目を入れていないゆで卵をそのまま電子レンジで加熱すると、破裂する危険があります。
卵を安全に冷蔵保存する方法

購入後は早く冷蔵庫へ入れる
パックに「10℃以下で保存」などと記載されている場合は、購入後もその条件を守ります。
暑い時期や持ち帰りに時間がかかる場合は、保冷バッグや保冷剤を利用します。帰宅後はほかの片付けより先に冷蔵庫へ入れます。
購入時のパックで保存する
パックは卵を衝撃、乾燥、におい移り、ほかの食品との接触から守ります。
賞味期限と保存方法も確認できるため、冷蔵庫の卵ケースへ移し替えず、購入時のパックのまま保存すると管理しやすくなります。
冷蔵庫のドアポケットを避ける
ドアポケットは開閉のたびに温度が変化しやすく、振動も加わります。
パックのまま冷蔵室の棚へ置き、冷気の吹き出し口へ直接触れて凍結しない場所を選びます。
温度変化を繰り返さない
冷えた卵を長時間室温へ置き、再び冷蔵すると、殻の表面に結露が生じることがあります。
調理に使う分だけを取り出し、残りは冷蔵庫へ置いたままにします。
ひび割れ卵・割った卵の扱い

ひび割れ卵
殻のひびから細菌が入り込む可能性があるため、賞味期限内でも生食を避けます。
家庭へ持ち帰る途中でひびが入った場合は、清潔な容器へ割り入れて冷蔵し、できるだけ早く十分に加熱します。購入時から中身が漏れている卵は使用しないでください。
割った卵・溶き卵
殻を割った時点で、元のパックに表示された賞味期限による管理はできなくなります。
割った卵や溶き卵は室温へ放置せず、速やかに調理します。翌日まで保存することを前提に、まとめて割っておく方法は避けてください。
ゆで卵
ゆで卵にも、元のパックの賞味期限をそのまま適用できません。
加熱すると殻の気孔を通じた保護状態が変わり、調理時のひびや殻むきによって汚染される可能性があります。調理後は冷蔵し、できるだけ早く食べます。
ゆで卵の殻がむきにくい理由は「ゆで卵の殻がむきにくいのはなぜ?」で詳しく解説しています。
殻を洗って保存しない
市販のパック卵は、流通段階で洗卵・選別されています。
家庭で水洗いしてから保存すると、温度差による結露や水分の付着が起こり、衛生管理が難しくなります。目立つ汚れや破損がある卵は生食せず、無理に長期保存しないでください。
食べないほうがよい卵のサイン
次のような状態がある場合は、期限内でも加熱して食べようとせず、廃棄してください。
- 腐敗臭、酸っぱいにおい、強い不快臭がある
- 中身が殻から漏れている
- 黄身や白身に不自然な緑・黒・赤色が広がっている
- カビのようなものがある
- 殻が大きく割れ、いつ割れたか分からない
- 長時間高温へ置いた
- 保存温度や保存期間が分からない
浮くか沈むかだけでは安全性を判断できません
卵を水へ入れる方法は、内部の気室が大きくなったかを見る目安にはなりますが、サルモネラ属菌の有無や食べられるかどうかを判定する検査ではありません。
よくある疑問
賞味期限後は何日まで大丈夫ですか?
一律の日数は決められません。保存温度、殻の状態、期限設定、冷蔵庫から出した時間などが商品・家庭ごとに異なります。期限後は早めに十分加熱し、日数が長い、履歴が不明、不安がある場合は廃棄してください。
賞味期限内なら温泉卵や半熟卵にできますか?
適切に冷蔵された期限内の正常卵を使い、調理後は速やかに食べます。乳幼児、高齢者、妊娠中の人、免疫力が低下している人、体調が悪い人は、半熟を避けて十分に加熱したほうが安全です。
ひびが入った卵は期限内なら生で食べられますか?
生食は避けてください。ひびから細菌が入り込む可能性があります。いつ割れたか分かり、漏れや異常がない場合でも、できるだけ早く十分に加熱します。
割った卵は翌日まで冷蔵できますか?
家庭では作り置きを前提にせず、割ったら速やかに調理するのが基本です。元のパックの賞味期限は割卵後には適用できません。長時間置いたものや保存状態が不明なものは使用しないでください。
卵を水に入れて沈めば安全ですか?
安全とは判断できません。沈む・浮くという変化は気室の大きさと関係しますが、細菌汚染や食べられるかどうかを確認する方法ではありません。賞味期限、保存状態、殻と中身の異常を確認してください。
まとめ
- 卵の賞味期限は、適切に保存した正常卵を安心して生食できる期限の目安
- 期限内でも、ひび・欠け・漏れ・異臭がある卵は生食しない
- 期限後に一律で食べられる日数は決められない
- 期限後は生食・半熟を避け、できるだけ早く十分に加熱する
- 卵料理の加熱殺菌は70℃で1分間以上、または同等以上が基準
- ほかの食材と混ざる料理は中心75℃で1分間以上が家庭での目安
- 家庭では黄身と白身が完全に固まるまで加熱すると確認しやすい
- 購入後は表示に従い、パックのまま10℃以下で冷蔵する
- ひび割れ卵、割った卵、ゆで卵は元の賞味期限で管理しない
- 異臭・不自然な変色・保存履歴不明の場合は食べない
- 浮く・沈むだけでは卵の安全性を判断できない
賞味期限は重要な判断材料ですが、日付だけで安全性を決めることはできません。
保存温度、殻の状態、割った後のにおいと色を合わせて確認し、期限後は生で食べず、十分に加熱して早めに使い切りましょう。
参考・確認先
編集・確認:食のハッケン帳編集部
情報確認日:2026年9月1日
この記事の確認について
殻付き卵の賞味期限が表示された保存条件を守った場合の生食期限であること、期限後は一律の日数ではなく十分加熱して早めに食べること、ひび割れ卵・割卵後の扱い、70℃1分相当の加熱基準を確認しています。
※見た目・におい・水に沈むかどうかだけでは、サルモネラ属菌の有無を確認できません。












