メロンパンという名前を聞けば、メロン味のパンを想像しても不思議ではありません。
ところが、定番のメロンパンはパン生地にビスケット生地をかぶせて焼いた菓子パンで、名前の由来が「メロンを原料に使ったから」とは限りません。
では、メロンが入っていないタイプでも、なぜ「メロンパン」と呼ばれるのでしょうか。
調べてみると、名前の由来には一つだけの確定した答えがあるわけではなく、複数の説が残っています。
メロンパンという名前の由来は、一つに確定していません。
山崎製パン公式では、メレンゲが「メロン」へなまった説、表面がマスクメロンに似ていた説、高級フルーツだったメロン人気にあやかった説などを紹介しています。
つまり「メロンパン=必ずメロンを使うパン」という名前ではありません。
一方、現在はメロンピューレやメロンクリームを使った商品もあり、商品ごとに中身は異なります。
さらに神戸には、全国でよく見る丸いメロンパンとは別に、ラグビーボール型で白あん入りの「神戸ハイカラメロンパン」という地域文化もあります。
そもそもメロンパンとはどんなパン?
山崎製パンの公式FAQでは、メロンパンを「パン生地をビスケットの生地で包み、表面に格子状の模様をつけて焼いたもの」と説明しています。
外側はサックリ、中はふんわりという食感の組み合わせが代表的です。
現在の山崎製パン「大きなメロンパン」も、サックリした皮とふんわりした中生地、バターの風味を特徴として紹介しています。
名前に「メロン」と付いていても、メロン味であること自体が定義ではありません。
実際、チョコチップ、抹茶、メープルなど、表面にビスケット生地を使った多様な「メロンパン」が販売されています。
- パン生地の上をビスケット生地で覆うタイプが代表的
- 表面には格子模様や焼成によるひび割れが見られる
- 「メロン」という名前だけでは原材料は判断できない
- 現在はメロン果汁・ピューレ・クリーム入りの商品もある
食パンの袋の留め具にも正式名称があるように、身近なパンには意外と知られていない名前の由来があります。
包装のトリビアは、食パンの袋を留める「あれ」は何?バッグ・クロージャーの名前と誕生理由でも紹介しています。
「メロンパン」がパンの種類名として定着している
現在では「メロンパン」という言葉自体が、特定の果物味を示すというより、外側のビスケット生地と内側のパン生地を組み合わせた菓子パンの種類名として広く使われています。
そのため、商品名に「メロンパン」と書いてあっても、実際の風味はバター、チョコ、抹茶、メープルなどさまざまです。
逆に、メロン果汁やメロンピューレを使った商品では、商品説明でその点をはっきり打ち出すことがあります。
「メロンパン」という名前はパンのタイプを表し、実際にどんな原料や風味が使われているかは商品ごとに確認すると考えると分かりやすいでしょう。
これは「カレーパンにはカレーが入る」といった名前とは少し違い、歴史の中で名称そのものが一つのパンカテゴリーとして定着した例といえます。
なぜ「メロンパン」?公式でも名前の由来は複数説
メロンパンの名前について、山崎製パンは「いくつかの説があります」と明記しています。
つまり、現在広く流通しているメロンパン全体について、「この理由だけが正しい」と断定するのは適切ではありません。

説① 「メレンゲ」がなまって「メロン」になった
山崎製パンによると、メロンパンが日本で作られるようになったのは大正時代の末ごろとされています。
当時、表面のビスケット生地に卵白、つまりメレンゲを配合しており、「メレンゲパン」という呼び方が変化して「メロンパン」になったという説があります。
言葉の変化を由来とする説なので、メロンという果物そのものとは直接関係しません。
説② 表面がマスクメロンに似ていた
もう一つは、焼き上げたビスケット生地の表面がひび割れたり格子模様になったりし、その見た目がマスクメロンの網目に似ていたという説です。
現在でも「メロンパンらしい見た目」として、丸い形と格子模様をイメージする人は多いでしょう。
この説では、メロンは「中に入っている材料」ではなく「外見を表す名前」ということになります。
説③ 高級フルーツだったメロン人気にあやかった
山崎製パンはもう一つ、大正時代にアメリカから入ってきたマスクメロンが高級フルーツとして人気を集めていたため、その人気にあやかって意識的にメロンの表皮に似せたという説も紹介しています。
現在のように気軽にさまざまなメロンを買える時代とは違い、当時の「メロン」という言葉には高級感のあるイメージがありました。
見た目と高級フルーツのイメージが組み合わさって名前が定着した可能性もある、という考え方です。
メロンパンはいつからある?大正末期から作られたとされる
山崎製パンの公式FAQでは、メロンパンが日本で作られるようになった時期を大正時代の末としています。
ただし、「誰が最初に現在の丸いメロンパンを作ったのか」「どの店が最初にその名前を使ったのか」という全国共通の発祥点までは、同FAQでは一つに確定していません。
そのため、歴史を説明するときは、大正末期に存在したことと、名前の由来・発祥者を一つに決めることは分けて考える必要があります。
ビスケット生地とパン生地の組み合わせが特徴
メロンパンの面白さは、発酵させるパン生地の上へ、性質の異なるビスケット生地を重ねて焼く点にもあります。
パン生地は酵母の働きで発生する炭酸ガスによって膨らみます。
パンに気泡や穴ができる仕組みについては、パンの穴はなぜできる?発酵・二酸化炭素・グルテンと気泡の仕組みで詳しく解説しています。
一方、外側は砂糖や油脂を含むビスケット生地なので、焼くことで内側とは違うサクッとした食感になります。
神戸では「メロンパン」が別の姿?地域で呼び方も違う
全国的にイメージされるメロンパンは、丸いパンにビスケット生地をかぶせ、格子模様を付けたタイプです。
ところが神戸周辺では、「メロンパン」と聞いて別の形を思い浮かべる文化があります。

神戸ハイカラメロンパンは1952年生まれ
コープこうべ公式によると、現在の「神戸ハイカラメロンパン」は1952年、コープこうべの前身の若いパン職人が、三宮の道具店で見つけたオムライス型を使って新しいパンを作ろうとしたことから始まりました。
完成したパンはラグビーボールのような形で、中には白あんが入っています。
発売当時、日本で「メロン」と呼ばれていたマクワウリに形が似ていたため、この地域商品は「メロンパン」と名付けられたとコープ公式が説明しています。
この神戸商品の由来は公式資料で比較的明確ですが、これを全国の丸いメロンパンすべての発祥理由として扱うことはできません。
神戸では丸いタイプを「サンライズ」と呼ぶ文化も
神戸新聞では、全国で一般的な丸いビスケット生地のパンを、神戸周辺で「サンライズ」と呼ぶ文化が紹介されています。
一方、ラグビーボール型で白あん入りのパンを「メロンパン」と呼ぶ店もあるため、同じ言葉でも地域によって思い浮かべるパンが違います。
食べ物の名前は、材料だけでなく地域の歴史や売られ方によっても定着していくことが分かる例です。
メロンパンに本物のメロンが入っている商品もある
名前の由来が原料のメロンと直結しないからといって、現在のメロンパンに「メロンを使ってはいけない」わけではありません。
実際、山崎製パンは2026年8月に「大きなクラウンメロンパン(メロンホイップ)」を発売し、クラウンメロンのピューレ入りホイップを使った商品として紹介しています。
つまり現在は、
- メロン味ではない定番タイプ
- チョコ・抹茶・メープルなど別の味を組み合わせたタイプ
- メロン果汁・ピューレ・クリームなどを使ったタイプ
のように、商品名「メロンパン」をベースに幅広いアレンジがあります。
「メロンパン」というカテゴリー名と、「メロン原料を使っているか」は別々に確認する必要があります。
メロンの使用を期待して購入する場合は、商品説明や原材料表示を確認するのが確実です。
「メロンパン味」というより食感が共通点になっている
現代のメロンパンでは、何味かよりも「外側のビスケット生地と内側のパン生地」という構造が共通点になっている商品が多く見られます。
そのためチョコチップ入りでも抹茶味でも、メロンパンとして販売されています。
パンの保存中に袋へ水滴が付くことが気になる場合は、食パンの袋の水滴は結露?カビとの違い・冷凍保存のポイントも参考になります。
よくある疑問
メロンパンには必ずメロンが入っていますか?
いいえ。名前の由来はメロン原料そのものとは限らず、メロン味ではない定番タイプもあります。
一方で、現在はメロンピューレやメロンクリームを使った商品もあります。
メロンパンという名前の本当の由来はどれですか?
山崎製パン公式でも複数説を紹介しており、一つだけを確定した由来としていません。
メレンゲ説、外見がマスクメロンに似ていた説、高級メロン人気にあやかった説などがあります。
メロンパンはいつごろから日本にありますか?
山崎製パンでは、日本で作られるようになったのは大正時代の末ごろと説明しています。
神戸のメロンパンはなぜ形が違うのですか?
コープこうべ系の神戸ハイカラメロンパンは、1952年にオムライス型を使って開発された地域商品です。
ラグビーボール型で白あん入りという特徴があり、マクワウリに似た形から「メロンパン」と名付けられたとされています。
神戸で「サンライズ」と呼ばれるパンは何ですか?
神戸周辺では、全国で一般的な丸いビスケット生地のメロンパンを「サンライズ」と呼ぶ文化があります。
店や地域によって呼び方には差があります。
まとめ
メロンパンにメロンが入っていないタイプがあるのは、「メロンパン」という名前自体が、メロンを原料に使うことだけを意味していないからです。
山崎製パン公式では、メレンゲがなまった説、表面がマスクメロンに似ていた説、高級フルーツだったメロン人気にあやかった説など、複数の由来を紹介しています。
さらに神戸には、1952年に生まれたラグビーボール型・白あん入りの「神戸ハイカラメロンパン」があり、こちらはマクワウリに似た形から名付けられたことが公式に確認できます。
同じ「メロンパン」という名前でも、歴史・形・味は一つではありません。
次にメロンパンを見かけたときは、メロンが入っているかだけでなく、表面の模様や地域による呼び方にも注目してみると、より面白く感じられるはずです。
参考・確認先
編集・確認:食のハッケン帳編集部
情報確認日:2026年9月14日
この記事の確認について
メロンパンの基本的な構造、名前の由来に複数説があること、大正末期から作られたとする説明、神戸ハイカラメロンパンの1952年の開発経緯と名称由来、現在のメロン使用商品についてメーカー・生協・地域資料を確認しました。全国型メロンパンの発祥や名称由来は一説に断定していません。












