白菜を切ったとき、白い部分に小さな黒い点がたくさん付いていることがあります。
見た目だけでは「カビ?」「傷んでいる?」「黒い部分を全部取ったほうがいい?」と不安になりますが、この黒い点の代表的な正体は「ゴマ症」と呼ばれる生理障害です。
農林水産省は、ゴマ症による黒い斑点は白菜が栽培中に受けたストレスによって生じたポリフェノールで、カビや病気ではなく、食べても害はないと案内しています。
白菜の白い茎部分へ細かな黒い点が多数出る「ゴマ症」は、カビや病気ではなく、生育中のストレスに伴う生理障害です。
農林水産省とJA全農長野は、黒い斑点の成分をポリフェノールの一種と説明しており、ゴマ症そのものは食べても問題ありません。
ただし、黒い点なら何でもゴマ症ではありません。
ふわふわしたカビ、葉が溶ける、強いぬめり、異臭などがある場合は別の傷みを疑います。

白菜の黒い点「ゴマ症」は生理障害
ゴマ症は、白菜の白い部分などに黒い小さな点が現れる生理障害です。
黒い点の正体はポリフェノール
農林水産省によると、黒い斑点は白菜の生理障害によって生じたポリフェノールです。
名前に「症」と付いていますが、人へ感染する病気や、白菜が腐敗して生じるカビではありません。
見た目が黒くても食べられる
ゴマ症だけであれば、黒い点を一つずつ削り取る必要はありません。
洗って通常どおり調理できます。見た目が気になる場合だけ、黒い点が目立つ部分を薄く切り落として使います。
白菜が栽培中に受けたストレスが関係する
ゴマ症は、病原菌が白菜を腐らせてできる黒点ではありません。
高温・低温、肥料過多、激しい雨、収穫時期など複数の栽培条件が関係するとされ、同じ白菜の中でも発生量に差があります。
農林水産省は、気温が高かったり低かったりすることや、肥料が多すぎることなど、栽培環境のストレスが原因とされています。
JA全農長野も、激しい雨、肥料過多、収穫時期のずれなど、生育段階でのストレスによってゴマ症が現れると案内しています。
黒い点が多い=農薬が多い、という意味ではありません
ゴマ症は白菜の生理反応による変化です。黒い点の数だけを見て、農薬や汚れが原因と判断することはできません。
「黒い点の形」と「白菜全体の状態」を一緒に見る
ゴマ症は、白い葉柄部へ細かな点として散在するのが典型です。
点の周囲が溶けたり、綿毛状に盛り上がったりする変化ではありません。
カビ・腐敗では、黒以外にも白・灰色・緑色などの菌糸が見えることがあり、同時に水っぽい軟化や異臭を伴う場合があります。
色だけでなく、質感とにおいを確認します。
ゴマ症とカビ・腐敗を見分けるポイント

白菜の黒い変化を見るときは、黒い部分の形・広がり方・硬さ・におい・ぬめりを合わせて確認します。
細かな黒い点が散っている
白い葉柄や芯付近に、ゴマを振ったような小さな黒い点が散っていて、白菜自体はみずみずしく、異臭やぬめりがない場合はゴマ症の特徴に近い状態です。
ふわふわ・綿毛状に広がっている
白、緑、青、黒などの異物が表面から盛り上がり、綿毛のように広がっている場合は、ゴマ症の「点」とは形が異なります。
こうした異物がある場合は、黒い部分だけを取って食べようとしません。
ぬめり・異臭・葉が溶ける
白菜が水っぽく崩れている、触ると強くぬめる、いつもと違う不快なにおいがする場合は、単なるゴマ症とは考えにくい状態です。
農林水産省も、生野菜の色、におい、味がおかしい場合は捨てるよう案内しています。
葉物野菜の色変化では「レタスの切り口が赤いのは食べられる?」も比較になります。
迷う状態は味見で確認しない
ゴマ症は見た目の特徴から判断できますが、カビや腐敗が疑われる白菜を味見して確認する必要はありません。異臭、ぬめり、綿毛状の異物などがある場合は使用を中止します。
ゴマ症が出やすい生育・保存条件

大きな温度変化
農林水産省は、高温や低温などの栽培環境のストレスを原因の一つとして挙げています。
白菜が生育する途中で環境条件が大きく変化すると、生理反応として黒い点が現れる場合があります。
肥料が多すぎる
肥料過多もゴマ症に関係する要因として案内されています。
ゴマ症は購入後の家庭で発生する汚れではなく、栽培段階で現れることがある変化です。
激しい雨などの生育ストレス
JA全農長野は、激しい雨にさらされることもゴマ症の原因例として挙げています。
そのため、同じ品種でも栽培時の天候や条件によって黒い点の出方は変わります。
収穫時期の影響
JA全農長野では、収穫が早かった場合や遅かった場合も、生育ストレスの一例として紹介されています。
黒い点があるからといって、家庭での保存方法だけが原因というわけではありません。
ゴマ症は洗っても完全には消えない
ゴマ症の黒点は、表面に付着した土やカビではなく白菜組織内に生じたポリフェノールです。
そのため、流水で洗っても黒点そのものが落ちないことがあります。
見た目が気になる場合は黒点の多い部分を切り落としても構いませんが、安全のために必ず除去しなければならない部分ではありません。
通常どおり鍋物、炒め物、漬物などへ使えます。
購入時は黒点より「葉の状態」を見る
ゴマ症があるかどうかだけで白菜の鮮度を決めるのではなく、葉先までみずみずしいか、外葉が極端にしおれていないか、芯や葉柄が溶けていないかを確認します。
黒点が少なくても、強いぬめりや異臭がある白菜は別の傷みを疑います。
カット白菜では切断面が乾燥しやすく、保存中に変色も進みます。
購入後は切断面を覆って冷蔵し、状態がよいうちに使うと食感を保ちやすくなります。
黒点がある白菜の食べ方と購入時の見方

ゴマ症だけなら普通に調理できる
加熱しても黒点が完全に消えるとは限りませんが、これは病原菌を殺すための処理ではなく、もともと食べられる生理障害だからです。
「火を通せばカビでも食べられる」という意味ではないため、菌糸状のカビや腐敗がある白菜とは区別してください。
黒い点以外に異常がなく、白菜がしっかりしている場合は、流水で洗って通常どおり料理へ使えます。
鍋、スープ、炒め物、漬物など、用途を特別に変える必要もありません。
見た目が気になる部分だけ薄く取る
ゴマ症そのものを取り除く必要はありませんが、料理の見た目をきれいにしたい場合は、目立つ表面だけを薄くそぐ方法があります。
黒い点の周囲まで大きく捨てる必要はありません。
カビや腐敗の特徴がある場合は使わない
綿毛状の異物、強いぬめり、腐敗したにおい、広範囲に溶けたような変色がある場合は、ゴマ症とは別に考えます。
傷んだ部分が広がっている白菜を「加熱すれば大丈夫」と判断して使い切らないようにします。
カット白菜は早めに使う
農林水産省は、野菜をカットすると切り口で細菌が増えやすくなるため、早めに食べるよう案内しています。
すぐに食べない場合は、清潔な容器やラップで切り口を覆って冷蔵します。
黄色化と腐敗が別である例は「ブロッコリーが黄色いのは食べられる?」でも解説しています。
白菜の保存方法と黒点以外の変化

ラップなどで包む
JA全農長野は、白菜をラップなどで包んで保存する方法を案内しています。
カットした白菜は切り口から乾燥しやすいため、切り口をしっかり覆います。
冷蔵庫では立てて保存する
白菜は、畑で育っていたときに近い向きで立てて保存すると扱いやすくなります。
JA全農長野も、ラップなどで包んで冷蔵庫に立てて保存するよう案内しています。
カット後は早めに食べ切る
切り口がある野菜は、丸ごとの状態より傷みやすくなります。
保存期間だけを固定的に考えず、切り口の乾燥、変色、におい、ぬめりなども確認しながら早めに使います。
調理前に流水で洗う
農林水産省は、生野菜を調理・飲食する前に、飲み水として適した流水でしっかり洗うよう案内しています。
ゴマ症の黒い点は洗って消えるものではありませんが、表面の土や汚れを落としてから調理します。
「黒い白菜」で間違えやすい変化
切り口の変色
切って保存した白菜では、時間の経過とともに切り口が乾燥したり、茶色っぽく変色したりする場合があります。
点状のゴマ症とは見た目が異なるため、切った時期や保存状態も確認します。
葉先の傷み
外葉や葉先だけが傷んでいる場合は、傷んだ範囲と内部の状態を確認します。
内部までぬめりや異臭が広がっている場合は使用しません。
土や汚れ
葉の重なりや根元に付いた土は、流水で洗えば落ちます。
一方、ゴマ症は白菜の組織に現れた点なので、洗っても消えません。
よくある疑問
白菜の黒い点はカビですか?
細かな黒い点が白菜の白い部分に散っている場合は、ゴマ症の可能性があります。農林水産省は、ゴマ症はカビや病気ではないと案内しています。
黒い点がたくさんあっても食べられますか?
ゴマ症だけで、異臭、ぬめり、綿毛状の異物など別の異常がなければ食べられます。黒い点の成分はポリフェノールです。
黒い点は洗えば落ちますか?
ゴマ症は表面に付着した汚れではなく白菜の組織に生じた変化なので、洗っても消えません。通常どおり流水で洗って調理します。
黒い点の部分は切り取るべきですか?
ゴマ症であれば取り除く必要はありません。見た目が気になる場合だけ、目立つ表面を薄く切り取れば十分です。
ゴマ症は保存中にできるのですか?
主に栽培中の環境ストレスによって現れる生理障害です。高温・低温、肥料過多、激しい雨、収穫時期などが要因として挙げられています。
まとめ
- 白菜の細かな黒い点は「ゴマ症」の可能性がある
- ゴマ症の黒い点はポリフェノールで、カビや病気ではない
- 高温・低温、肥料過多、激しい雨など栽培中のストレスが関係する
- ゴマ症だけなら黒い点を取らずに食べられる
- 綿毛状の異物、強いぬめり、異臭、溶けたような傷みがある場合は使用しない
- 白菜はラップなどで包み、冷蔵庫で立てて保存する
- カットした白菜は冷蔵し、早めに食べ切る
白菜の黒い点は見た目のインパクトが強いものの、ゴマ症であれば食べられる変化です。
「黒い」という色だけで判断せず、点の形、ぬめり、におい、葉の状態まで確認すると、ゴマ症と傷みを見分けやすくなります。
参考・確認先
編集・確認:食のハッケン帳編集部
情報確認日:2026年9月1日
この記事の確認について
白菜のゴマ症が白い中肋・葉脈に生じる生理障害で、病原菌によるカビとは異なることを農水省・JA・園芸学会資料・大学資料で確認しました。褐変にはポリフェノール類と酸化酵素が関与し、発生は生育条件や収穫後条件の影響を受けるため、黒点だけで鮮度や安全性を断定しない構成にしています。
- 農林水産省「白菜に黒い斑点がついているが、食べても大丈夫ですか」
- JA全農長野「白菜に黒い斑点のようなものがたまにありますが、何ですか?」
- 園芸学会雑誌「Studies on the Occurrence of Goma-sho of Chinese Cabbage and its Prevention」
- University of Florida IFAS Extension「Pepper Spot (Gomasho) on Napa Cabbage」
- JA全農長野「野菜の保存方法を教えてください。」
- 農林水産省「生野菜を安全でおいしく食べるために」
※ゴマ症がある白菜でも、別にぬめり・異臭・葉の溶解・菌糸状のカビがあれば、その異常を優先して判断します。












