里芋の中が赤い・スポンジ状なのは食べられる?乾腐病と変色の違い

里芋の中が赤いときに食べられるか迷う人向けのアイキャッチ 野菜

里芋の皮をむいたり、半分に切ったりしたとき、白いはずの内部に赤い筋や赤褐色の斑点が見えることがあります。

「赤芽の里芋だから赤いの?」「変色部分を切れば食べられる?」「加熱すれば大丈夫?」と迷うかもしれません。

結論からいうと、里芋の内部が赤褐色で、乾いたスポンジのように変質している場合は、乾腐病による腐敗の可能性があります。

農畜産業振興機構は、乾腐病について、里芋の内部が赤褐色になり、スポンジ状に腐る状態として説明しています。

赤い色だけで断定するのではなく、変色の広がり、硬さ、乾燥した空洞、カビ、におい、液漏れまで確認することが重要です。

先出し解決

里芋を切ったとき、内部に赤褐色の点や筋が多数あり、中心がスポンジ状に乾いて崩れている場合は「乾腐病」を疑います。

石川県の診断事例でも、乾腐病では赤褐色の微斑点、中心部の褐色化、スポンジ状の乾腐、空洞化が確認されています。
単なる表面の変色とは別の、菌による病害です。

内部がスポンジ状・空洞化・カビ状になった里芋は、変色部分だけ削ったり、加熱して食べ切ったりせず処分します。

里芋の内部が赤褐色で乾いたスポンジ状になり、乾腐病を疑う状態を示す図
外見が普通でも、切ると内部が赤褐色でスポンジ状になっていることがあります。こうした状態は乾腐病による傷みの可能性があります。

赤褐色・スポンジ状なら乾腐病を疑う

乾腐病はフザリウム属菌による病害で、単純な乾燥による品質低下とは別です。外見だけでは分かりにくく、切った内部の赤褐色・スポンジ状の乾腐・空洞化を合わせて確認します。

農畜産業振興機構の産地紹介では、乾腐病を「イモが乾いた状態で腐敗し、内部が赤褐色になってスポンジ状に腐る」状態として説明しています。

外側だけでは分かりにくく、皮をむいたときや切ったときに、内部の赤褐色と空洞が見つかる場合があります。

乾腐病で見られやすい状態

乾腐病はフザリウム属菌による病害で、種いもや土壌を介して発生します。
収穫後・貯蔵中に内部症状がはっきりすることもあり、外側だけでは程度が分かりにくい場合があります。

  • 内部が赤色から赤褐色、茶褐色に変色している
  • 果肉が乾いてスポンジのようになっている
  • 持ったときに大きさの割に軽い
  • 切ると内部に細かな空洞や崩れがある
  • 表面にひび割れや乾燥がある
  • 正常な里芋より硬さや粘りが失われている

変色が広範囲に及び、スポンジ状の変質がある場合は、食用に適さない状態です。

赤褐色の部分だけをくり抜いて食べない

乾腐病は見えている部分より内部へ広がっている可能性があります。赤褐色とスポンジ状の腐敗が確認できる場合は、里芋全体を処分しましょう。

赤芽由来の色と内部病変を分ける

里芋には多くの品種があり、大きく赤芽系統と白芽系統に分けられることがあります。

赤芽系統には、芽や葉柄などに赤紫色の着色が見られる品種があります。

ただし、「赤芽」という名前は、内部が赤褐色に腐っていても食べられるという意味ではありません。

赤芽系統の芽や葉柄の色と、内部の赤褐色の傷みは別だと示す比較図
赤芽系統の赤紫色は品種の特徴ですが、内部の赤褐色は別問題です。品種名だけで安全とは判断しません。

品種名より内部の状態を確認する

購入した里芋が赤芽系統やセレベスなどであっても、切った内部が乾いてスポンジ状になっている場合は、品種由来の色として扱わず、傷みを疑います。

品種によって形、大きさ、粘り、粉質、芽や葉柄の色には違いがありますが、食べられる状態の果肉は、基本的に硬く締まり、腐敗臭や崩れがありません。

薄い赤い筋だけでも、ほかの異常を確認する

ごく一部に薄い赤紫色の筋が見える場合でも、家庭では品種差、軽い変色、病害を見た目だけで完全に判別できません。

周囲が硬く、においに異常がなく、スポンジ状の空洞がない場合は、変色部分を広めに取り除き、加熱調理する方法があります。

赤い筋が広がっている、切り進めても変色が続く、軽くて乾いている、味やにおいに違和感がある場合は食べないでください。

「赤い筋だけ」と「組織が壊れた乾腐」を分ける

里芋は品種・切断・保存によって色味が変わることがありますが、乾腐病では色だけでなく組織そのものが乾いてスポンジ状になる、空洞ができるといった構造変化が重要な判断材料です。

切って数分~数時間で表面だけ色が変わったものと、切った瞬間から内部深くまで赤褐色・黒褐色の病変があるものを同一に扱いません。

食べられる変色と傷みをどう見分ける?

正常な里芋、軽い局所変色、乾腐病、カビや液漏れを比較した図
見分けるポイントは、内部の色だけでなく、硬さ、重さ、におい、空洞、カビや液漏れの有無です。
確認点 正常に近い状態 食べないほうがよい状態
内部の色 白から淡いクリーム色 赤褐色・茶褐色が広範囲に広がる
硬さ 硬く締まり、包丁を入れると抵抗がある スポンジ状、ふかふか、崩れやすい
水分 切り口がみずみずしく、過度な液漏れはない 極端に乾燥して空洞がある、または濁った液が出る
におい 里芋本来の土に近いにおい カビ臭、酸っぱいにおい、腐敗臭がある
表面 縞模様がはっきりし、硬い カビ、黒い腐敗、深いひび割れ、強い軟化がある
重さ 大きさに対してずっしり重い 大きさの割に不自然に軽い

表面がふかふかするものは避ける

農畜産業振興機構は、新鮮な里芋について、土が適度に付き、表面がしっとりしており、重量があって硬く締まったものを選ぶよう案内しています。

押すとふかふかするものは、傷んでいる可能性があります。

カビがある場合は全体を処分する

白、緑、黒、灰色などのふわふわしたカビが表面や切り口にある場合は、見える部分だけを削らず、里芋全体を処分します。

里芋は小さく、内部まで病変が広がっていても外側から分かりにくいためです。

じゃがいもの芽・緑化は病害とは別の天然毒素リスクです。「じゃがいもの芽・緑色はどこまで取る?」も参考になります。

濁った液や強いぬめりがある場合も食べない

里芋には本来ぬめりがありますが、腐敗によるぬめりは、濁った液、異臭、崩れ、変色を伴うことがあります。

皮をむいた正常な里芋の粘りと、保存中に発生した不自然なべたつきを混同しないようにします。

切り落とし・加熱で安全になる?

乾腐病は「生だから赤い」という状態ではなく、すでに組織が病変を起こしている状態です。
火を通せば色が消える・食感が正常へ戻るというものではありません。
病変が明確な芋は食用へ回さない判断が安全です。

乾腐病などで腐敗した里芋は、煮る、蒸す、揚げるといった加熱をしても、正常な状態へ戻りません。

加熱によって菌の一部が減る可能性があっても、腐敗による品質低下や、すでに広がった組織の変質を安全確認の代わりにはできません。

煮物の味付けでにおいを隠したり、柔らかく煮込んで食べ切ろうとしたりせず、調理前の段階で異常があるものは処分してください。

確認のための味見はしない

赤褐色の変色、カビ臭、腐敗臭、スポンジ状の軟化がある里芋を、生または加熱後に少量食べて確認するのは避けましょう。

皮をむいた里芋が赤くなった場合

皮をむいた直後は白かった里芋が、時間の経過とともに一部変色して見える場合があります。

この場合も、色だけではなく、いつ変色したのか、切る前から内部が赤かったのか、硬さやにおいに異常があるかを確認します。

むいた直後から内部が赤褐色の場合

皮をむいた時点ですでに内部が赤褐色で、乾燥や空洞がある場合は、保存中に傷みが進んでいた可能性があります。

広範囲に変色しているものは使わないでください。

切ったあと表面だけが変色した場合

切ったあとの表面だけに色の変化が見られ、内部は白く硬い場合は、表面を薄く取り除いて早めに加熱します。

ただし、赤褐色が切り進めても続く場合は、単なる表面変化として扱わず処分を検討してください。

さつまいもを切ったときに出る白い液は腐敗とは別の成分です。「さつまいもの白い液は何?」で解説しています。

保存方法と購入時の見分け方

里芋を泥付きのまま新聞紙で包み、5度以下と乾燥を避けて保存する方法を示す図
里芋は寒さと乾燥に弱いため、泥付きのまま紙で包み、冷え過ぎない冷暗所で保存するのが基本です。

里芋は熱帯・亜熱帯を原産とする作物で、寒さと乾燥が苦手です。

里芋は寒さと乾燥に弱いため、冷たい場所へむき出しで放置せず、紙で包んで水分が抜け過ぎないようにします。
これは家庭での品質低下を抑える保存上の注意であり、フザリウム属菌による乾腐病の発生原因そのものと同一ではありません。

泥付きのまま新聞紙で包む

泥付きの里芋は、洗わずに新聞紙や紙袋で包み、直射日光の当たらない場所で保存します。

農畜産業振興機構は、泥付きのほうが日持ちし、新聞紙で包んで湿度を保ち、常温で保存する方法を案内しています。

冷えすぎと乾燥を避ける

里芋は低温に弱いため、家庭では冷蔵庫へ長く入れっぱなしにせず、寒さと乾燥を避けた場所で保存します。

寒い季節でも、凍結する場所、屋外、冷蔵庫の冷気が強く当たる場所は避けます。

表面が濡れ過ぎている場合は乾かす

里芋は乾燥に弱い一方で、水滴が付いたまま密閉するとカビや異臭の原因になります。

表面が過度に濡れている場合は、風通しのよい日陰で表面だけを乾かしてから紙で包みます。

皮をむいたものは早めに使う

皮をむいた里芋は傷みが早いため、密閉容器などへ入れて冷蔵し、早めに使い切ります。

保存中に赤褐色、黒色、異臭、濁った液が出た場合は食べないでください。

新鮮な里芋を選ぶポイント

新鮮な里芋と避けたい里芋の特徴を比較した図
新鮮な里芋は、ずっしり重く、硬く、縞模様が明瞭です。軽い、ふかふか、ひび割れやカビがあるものは避けましょう。
  • 泥が適度に付いている
  • 表面に少し湿り気がある
  • 皮の縞模様がはっきりしている
  • 持つとずっしり重い
  • 押しても硬く、ふかふかしない
  • 大きな傷、ひび割れ、カビがない
  • 洗い里芋は乾燥や変色が少ない

表面を洗った里芋は状態を確認しやすい一方、泥付きより品質低下が早い場合があります。

購入後すぐに切って確認できない場合も、軽い、柔らかい、カビ臭がするといった異常があるものは避けましょう。

よくある疑問

里芋の中が赤いだけなら食べられますか?

赤い色だけでは判断できません。周囲が硬く、異臭やスポンジ状の空洞がなく、変色がごく一部なら広めに取り除いて加熱できる場合があります。赤褐色が広がり、乾いてスポンジ状なら食べないでください。

赤芽里芋なら中が赤くても正常ですか?

赤芽系統という分類はありますが、内部が赤褐色でスポンジ状に腐っている状態まで正常という意味ではありません。品種名ではなく、硬さ、におい、空洞、カビを確認します。

赤い部分だけ切れば食べられますか?

薄い変色がごく一部で、周囲に異常がなければ広めに除ける場合があります。ただし、乾腐病を疑う赤褐色とスポンジ状の腐敗がある場合は、里芋全体を処分してください。

煮れば乾腐病の里芋も食べられますか?

食べられません。加熱は、腐敗した組織を正常に戻したり、安全性を保証したりする方法ではありません。

里芋は冷蔵庫へ入れないほうがよいですか?

丸ごとの泥付き里芋は、低温と乾燥を避け、紙で包んで常温の冷暗所へ保存するのが基本です。室温が高過ぎる場合や皮をむいた後は、乾燥を防いで冷蔵し、早めに使い切ります。

まとめ

  • 里芋の内部が赤褐色でスポンジ状なら乾腐病を疑う
  • 乾腐病は、乾燥した状態で内部が赤褐色に腐る病害
  • 赤芽系統だから内部の赤褐色も安全とは判断できない
  • 正常な里芋は白から淡いクリーム色で、硬く締まっている
  • カビ、異臭、空洞、強い軟化、液漏れがあれば食べない
  • 乾腐病の部分だけを切り落とさず、里芋全体を処分する
  • 加熱しても腐敗した里芋が正常に戻ることはない
  • 泥付きのまま紙で包み、低温と乾燥を避けて保存する

里芋の中に赤い筋や赤褐色を見つけても、色だけで食べられるかどうかは決められません。

乾いてスポンジ状になっていないか、内部へ広がっていないか、においやカビに異常がないかを確認し、少しでも腐敗を疑う状態なら無理に食べないことが大切です。


参考・確認先
確認済み
編集・確認:食のハッケン帳編集部
情報確認日:2026年9月1日

この記事の確認について
サトイモ乾腐病で内部に赤褐色の微斑点・褐変・スポンジ状の乾腐・空洞化が起こり得ること、フザリウム属菌が関与し種いも・土壌伝染する病害であることを確認しています。

※切断後の表面酸化と、内部まで赤褐色・スポンジ状に崩れる乾腐病は分けて判断します。病変が疑われる芋を加熱で正常な状態へ戻すことはできません。

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