新米と古米の違い|新米表示の期限・味・水加減・保存方法

米・パン・麺

秋になると、米売り場で「新米」の表示を見かけるようになります。一方、前年以前に収穫された米は、日常的に「古米」と呼ばれます。

新米はみずみずしく、つやや粘りが出やすい傾向がありますが、古米が必ずおいしくないわけではありません。
保管状態がよければ品質変化は抑えられ、粒がほぐれやすい特徴をチャーハンや寿司飯などへ生かせる場合もあります。

この記事では、新米と古米の定義、味・香り・水分量・食感の違い、炊飯時の水加減、料理別の使い分け、精米後の保存方法まで分かりやすく整理します。

先出し解決

食品表示上「新米」と表示できるのは、その米が収穫された年の12月31日までに所定の包装・精米条件を満たしたものです。

そのため12月中に「新米」として包装された商品は、翌年1月に店頭へ並んでいても表示違反にはなりません。
「1月1日になった瞬間に米の品質が古米へ変わる」という意味ではありません。

実際の味・香り・炊き上がりは、収穫時期だけでなく、品種・精米時期・保管温度・湿度などの影響を受けます。

新米と古米の違いを一覧で比較

新米と古米は品種の違いではなく、基本的には収穫年と保管期間の違いです。同じ品種・産地の米でも、収穫された時期によって呼び方が変わります。

比較項目 新米 古米
収穫時期 その年に収穫された米 一般に前年に収穫された米
食品表示 年内の包装など所定の条件を満たす場合に「新米」と表示できる 「古米」は一般的な呼び方で、正式な等級名ではない
水分 比較的多い傾向 保管中に減少しやすい
粘り 出やすい傾向 控えめになりやすい
食感 ふっくら、やわらかい 粒がほぐれやすい
向く食べ方 白ごはん、おにぎり、卵かけごはん チャーハン、カレー、丼、寿司飯

新米と古米は、おいしさの順位ではありません。

品種、産地、精米時期、保管温度、炊飯器、好みの食感によって評価は変わります。古米でも適切に低温保管された商品は、十分おいしく食べられます。

新米の定義

食品表示で「新米」と表示できる条件は、食品表示基準で定められています。

玄米では、その年に収穫され、その年の12月31日までに容器包装へ入れられたものが対象です。
精米では、その年に収穫された玄米をその年の12月31日までに精米し、容器包装へ入れたものが対象になります。

新米と古米の定義、収穫年、精米・包装時期の違い
新米の表示には、収穫年だけでなく年内の精米・包装などの条件があります。

年を越すとすぐ古米になるわけではない

農林水産省の食品表示説明では、新米表示の条件は「販売日」ではなく、生産年内の包装・精米と包装の時期で決まります。
翌年になっても、条件を満たして既に包装された商品は「新米」表示のまま販売できます。

年内に新米の表示条件を満たして包装された商品は、翌年1月以降に売り場へ並んでいても「新米」と表示できます。

一方、その年に収穫された米でも、精米や包装が翌年になった商品は、食品表示上「新米」と表示できません。

「年産」と「精米時期」は別の情報

袋に記載される年産は、原料玄米が収穫された年を示します。精米時期は、玄米を精米した時期です。

米の状態を確認するときは、新米の表示だけでなく、年産、精米時期、産地、品種も合わせて見ると分かりやすくなります。

古米・古古米とは

古米は、一般に前年に収穫された米を指します。2年前に収穫された米を古古米、3年前のものを古古古米と呼ぶことがあります。

ただし、古米・古古米は、新米のように食品表示基準で定められた正式な等級名ではありません。流通や日常会話で、収穫から経過した年数を分かりやすく表す呼び方です。

古米だから傷んでいるわけではない

玄米の状態で温度・湿度を管理して保管すれば、品質変化を抑えられます。近年は低温倉庫などが利用され、以前より長期間安定して保管しやすくなっています。

一方、精米後は玄米より酸化や乾燥が進みやすいため、収穫年だけでなく、精米時期と家庭での保存状態も重要です。

「前年産」と「精米してから長期間たった米」は同じではありません

前年産でも最近精米された米と、その年の新米でも精米後に長く常温保存された米では、後者のほうが風味を失っている場合があります。

味・香り・水分量・食感の違い

新米は、収穫後の水分を比較的多く含み、炊いたときにみずみずしさ、つや、粘りを感じやすい傾向があります。

新米と古米の味、香り、水分量、粘り、食感の比較
新米はみずみずしく粘りが出やすく、古米は粒がほぐれやすい傾向があります。
比較項目 新米の傾向 古米の傾向
水分量 比較的多い 保管中に減少しやすい
炊き上がり ふっくら、つややか 粒立ちがよくなりやすい
粘り 強く感じやすい 控えめになりやすい
香り 新鮮な米の香りを感じやすい 香りが穏やかになりやすい
吸水 組織がやわらかく、少ない加水でもやわらかくなりやすい 乾燥状態によって吸水時間や水量の調整が必要

品種による違いのほうが大きい場合もある

コシヒカリ、ササニシキ、あきたこまち、つや姫など、品種によって粘り、硬さ、甘み、香りは異なります。

粘りの少ない品種の新米と、粘りの強い品種の古米を比べると、単純な新古の傾向と逆に感じる場合もあります。

保管状態で味の差は変わる

米は保管中に水分が減り、脂質の酸化などによって香りや味が変化します。高温・多湿の環境では変化が進みやすく、低温保管では抑えやすくなります。

そのため、収穫年だけでおいしさを決めるのではなく、保管方法と精米後の期間も確認します。

新米と古米の水加減

炊飯では、まず商品表示と炊飯器の水位線を基本にします。新米・古米という理由だけで、最初から水量を大きく変える必要はありません。

新米と古米の水加減、吸水時間、炊き方の違い
最初は炊飯器の目盛りどおりに炊き、仕上がりを見て次回から少しずつ調整します。

新米がやわらかすぎる場合

新米は組織がやわらかく、同じ水量でもやわらかく炊き上がる場合があります。

べたつきややわらかさが気になるときは、次回の炊飯で水を少しだけ減らします。急に大幅に減らすと芯が残ることがあるため、少量ずつ調整してください。

古米が硬い場合

古米は乾燥状態によって、水を吸うまでに時間がかかることがあります。

硬く炊き上がる場合は、水を少し増やす、吸水時間を長めに取る、炊飯器の「やわらかめ」モードを使うなどの方法があります。

「新米は必ず水を減らす」ではない

農林水産省によると、以前は新米を少なめの水、古米を多めの水で炊く考え方が一般的でしたが、現在は低温保存などで米の水分が年間を通して管理され、水加減へ大きく配慮する必要は少なくなっています。
まず炊飯器の目盛りどおりに炊き、硬さを見て次回から微調整する方法が確実です。

現在は品種改良、乾燥調製、保管、精米、炊飯器の性能が向上しています。新米でも通常の水位線でちょうどよく炊ける商品があります。

水加減を一度に大きく変えない

米の品種、無洗米かどうか、炊飯器、好みの硬さによって適量は異なります。最初は標準で炊き、次回から数%ずつ調整する方法が確実です。

おいしく炊く基本手順

1.米を正確に量る

炊飯器用の計量カップを使い、すり切りで正確に量ります。

無洗米専用カップと通常の米用カップでは容量が異なる場合があるため、使用する炊飯器の説明書を確認してください。

2.手早く洗う

最初の水は米が吸収しやすいため、手早く混ぜてすぐに捨てます。その後は力を入れ過ぎずに洗い、水を替えます。

無洗米は基本的に研ぐ必要がありません。気になる場合は軽くすすぎます。

3.十分に吸水させる

通常の精白米では、炊飯器の予約機能や吸水工程を利用します。炊飯器によっては炊飯時間に吸水が含まれているため、説明書を優先します。

4.炊き上がったらほぐす

炊き上がったら、しゃもじで底から大きく返し、余分な蒸気を逃がしながら全体をほぐします。

長時間保温すると乾燥や黄ばみ、においの変化が起こりやすいため、食べ切れない分は早めに冷凍します。

料理に合わせた使い分け

新米と古米に向く白ごはん、おにぎり、チャーハン、寿司飯などの使い分け
新米は米そのものを味わう料理、古米は粒立ちを生かす料理へ向く傾向があります。
料理 選びやすい米 理由
白ごはん 新米 つや、香り、甘み、みずみずしさを感じやすい
おにぎり 新米、粘りのある米 粒がまとまりやすい
卵かけごはん 新米 米そのものの香りと甘みを楽しみやすい
チャーハン 古米、硬めに炊いた米 粒がほぐれやすく、炒めやすい
カレー・丼もの 古米、粘り控えめの米 汁やルウをかけても重くなりにくい
寿司飯 古米やブレンド米が使われることがある 酢を吸っても粒が崩れにくい場合がある

チャーハンは古米でなければ作れない?

古米は粒がほぐれやすいため向くことがありますが、新米でも水を控えめに炊き、炊きたてを広げて蒸気を飛ばせばチャーハンに使えます。

大切なのは、新米・古米という名称だけではなく、炊いたごはんの水分と粘りです。

寿司飯は古米がよい?

寿司店では、酢を合わせた後の粒立ちや口ほどけを調整するため、前年産の米や複数年産・複数品種のブレンドを使う場合があります。

ただし、家庭の寿司飯に古米が必須という決まりはありません。新米を使う場合は水を少し控え、やや硬めに炊いてから寿司酢を合わせます。

古米をおいしく炊く工夫

吸水時間を確保する

乾燥した米は水を吸うまでに時間がかかるため、炊飯器の吸水工程を利用するか、説明書に従って浸水します。

水を少しずつ増やす

標準の水量で硬い場合は、次回から水を少し増やします。やわらかくなり過ぎないよう、少量ずつ調整します。

新米とブレンドする

古米の粒立ちと、新米の粘りやみずみずしさを組み合わせるため、異なる年産の米を混ぜる方法もあります。

最初は古米と新米を同量にするなど、分かりやすい比率から試し、好みに合わせて調整します。

調味料を入れる方法は用途を選ぶ

酒、みりん、油などを少量加える炊き方も紹介されますが、香りや食感が変わります。

白ごはん本来の味を確認したい場合は、まず水加減と吸水時間を調整し、それでも気になる場合に料理へ合わせて試してください。

新米と古米の保存方法

新米も古米も、精米後は酸化、乾燥、湿気、におい移り、虫の影響を受けます。

低温・低湿・遮光を意識する

精米した白米は、10~15℃程度の低温で、湿気と直射日光を避けて保存することが推奨されています。

家庭では冷蔵庫の野菜室が使いやすい保存場所です。米袋には空気穴がある場合が多いため、密閉容器や厚手の保存袋へ移します。

においの強い食品から離す

米はにおいを吸収しやすいため、漬物、香味野菜、洗剤などの近くを避けます。

冷蔵庫へ入れる場合も、容器のふたをしっかり閉めます。

水分が付かないようにする

ぬれた計量カップを保存容器へ入れると、カビや品質低下の原因になります。

乾いた清潔なカップを使い、古い米が残った容器へ新しい米を継ぎ足す前に、容器を洗って十分に乾かします。

食べ切れる量を購入する

精米後は時間とともに風味が低下します。家庭の消費量に合う量を購入し、夏場は特に短期間で食べ切ります。

精米時期が新しい商品を選ぶ

収穫年だけでなく、精米時期も確認してください。新米でも精米後に長期間保存すれば風味は低下し、古米でも最近精米された商品は状態がよい場合があります。

洗わずに炊ける無洗米との違いは「無洗米と普通米の違い」で解説しています。
冷えたご飯が硬くなる仕組みは「ご飯は冷えるとなぜ硬くなる?」も参考になります。

よくある疑問

新米はいつまで新米と表示できますか?

その年に収穫された玄米を、その年の12月31日までに容器包装へ入れたもの、またはその年の12月31日までに精米して包装した精米が「新米」と表示できます。条件を満たして包装された商品は、翌年に販売されても新米表示のままです。

1月になると前年の新米は古米ですか?

日常的には年を越した前年産米を古米と呼ぶ場合がありますが、食品表示では年内に新米の条件を満たして包装された商品は、翌年1月以降も「新米」と表示できます。

新米は水を少なくして炊くべきですか?

必ず減らす必要はありません。まず商品表示と炊飯器の水位線どおりに炊き、やわらかすぎる場合だけ次回から少しずつ水を減らします。

古古米は安全に食べられますか?

収穫年だけでは安全性を判断できません。適切に保管され、販売・配布時の品質確認を経た米であれば食べられます。異臭、カビ、虫、変色、保存履歴が不明な場合は使用しないでください。

米は冷蔵庫へ入れたほうがよいですか?

精米後の米は低温・低湿での保存が適しており、家庭では冷蔵庫の野菜室が便利です。密閉容器や厚手の保存袋へ入れ、におい移りと結露を防いでください。

まとめ

  • 新米と古米の違いは、主に収穫年と保管期間
  • 新米表示には、その年の12月31日までの包装などの条件がある
  • 古米・古古米は一般的な呼び方で、正式な等級名ではない
  • 新米は水分が比較的多く、つや・粘り・やわらかさが出やすい
  • 古米は水分が減り、粒がほぐれやすくなる傾向がある
  • 品種、精米時期、保管状態によって、新米と古米の差は変わる
  • 水加減は炊飯器の目盛りを基本に、少しずつ調整する
  • 新米は白ごはんやおにぎり、古米はチャーハンや寿司飯へ向く場合がある
  • 精米後の米は低温・低湿・遮光・密閉で保存する
  • 収穫年だけでなく、精米時期も確認する

新米にはみずみずしさと粘り、古米には粒立ちのよさという傾向があります。
どちらが常に上というものではなく、品種、保存状態、精米時期、料理、好みの食感に合わせて選ぶことが大切です。


参考・確認先
確認済み
編集・確認:食のハッケン帳編集部
情報確認日:2026年9月1日

この記事の確認について
食品表示基準上『新米』と表示できるのは生産年の12月31日までに包装された玄米、または同日までに精米・包装された精米であること、年が明けた瞬間に商品の品質が古米へ切り替わるわけではないこと、現在は低温保存等で新古による水加減差が小さくなっていることを確認しています。

編集・確認方針
運営者情報